大腸癌研究会

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大腸癌とは

2 ガイドラインを理解するための基礎知識

1)大腸とは

●解剖学的位置

大腸の長さは 1.5~2 m で,大腸は回腸(小腸)より連続し,右下腹部から始まり,右上腹部→左上腹部→左下腹部へ至り,肛門へつながる臓器です。

結腸と直腸に分けられます。

●各部位の名称

結腸はさらに盲腸,上行結腸,横行結腸,下行結腸,S 状結腸に分けられています。

直腸はさらに直腸 S 状部,上部直腸,下部直腸に分けられています。

●血管支配

盲腸,上行結腸,横行結腸は上腸間膜動脈により栄養されています。

・回腸の一部と盲腸は回結腸動脈,上行結腸は右結腸動脈,横行結腸は中結腸動脈により栄養されています。

下行結腸,S 状結腸,直腸 S 状部,上部直腸は下腸間膜動脈により栄養されています。

・下行結腸は左結腸動脈,S 状結腸は S 状結腸動脈,直腸 S 状部,上部直腸は上直腸動脈により栄養されています。

下部直腸は上直腸動脈と内腸骨動脈からの中・下直腸動脈より栄養されています。

●リンパ系

リンパ管の中にはリンパ液が流れます。

大腸の壁より出るリンパ管は,それぞれの栄養動脈に沿って走っています。

途中にいくつものリンパ節を伴っています。

腫瘍近くのリンパ節を腸管傍リンパ節,栄養動脈に沿ったリンパ節を中間リンパ節,栄養動脈起始部のリンパ節を主リンパ節といいます。

これらは手術の際,郭清範囲(癌と一緒にリンパ節を摘出する範囲)の指標となります。

●神経支配

大腸は胃や小腸と同様に交感神経,副交感神経により支配されています。

下部直腸は,骨盤神経叢(交感神経と副交感神経が合流して形成されたもの)に支配されています。この骨盤神経叢は直腸以外にも膀胱,前立腺を支配しています。

・直腸切除時にこの神経を切除すると排尿障害,性機能障害をきたす可能性があります。

●大腸壁の構造

大腸の壁は内腔から順に,粘膜,粘膜下層,固有筋層,漿膜により構成されています。

●大腸の作用

回腸から液状の便が移送され,大腸で水分,脂肪酸の一部,ナトリウムなどが吸収され,固形の便となって肛門へ運ばれます。

2)大腸癌とは

●大腸癌の発生機序

大腸癌は大腸粘膜の細胞から発生します。

・もともとは正常な細胞も,何らかの原因で癌細胞に変身します。

・変身した細胞が何兆という数に増えて,大腸癌として目に見えるようになります。

大腸癌の発生には 2 つの経路があると考えられています。

1 つは良性のポリープ(腺腫)が癌になる経路です。

・良性の腺腫(adenoma)が発癌刺激を受けて癌(carcinoma)化するもので,adenoma-carcinoma sequence(腺腫―癌連関)と呼ばれます。

・さらに近年,平坦・陥凹型腺腫の癌化も注目されています。

もう一つは正常粘膜が発癌刺激を受けて直接癌が発生する経路です)。

・この癌はデノボ癌(de novo 癌)と呼ばれます(de novo とは初めから,あらたに,という意味のラテン語)。

●大腸癌の発生・進展に関わる遺伝子

癌は,発癌遺伝子の出現や発癌を抑制している遺伝子(癌抑制遺伝子)の異常により発生します。

・癌の発生や癌の進展には多くの遺伝子が関与しています(多段階発癌)。

・腺腫―癌連関では,APC 遺伝子により腺腫が発生します。そこに K-ras 遺伝子や p-53 遺伝子の異常が加わって腺腫が癌化すると考えられています。

・デノボ癌の遺伝子異常の詳細は不明です。

●遺伝的素因

大腸癌は親から子への遺伝により発生することもあります。

遺伝性非ポリポーシス性大腸癌(HNPCC)

・遺伝子の異常を修復する遺伝子(ミスマッチ修復遺伝子)の異常により発生します。50 歳より若年での発症,右側結腸に多い,子宮体癌などの他臓器癌が併存することがある,などが特徴です。

・家族にこの傾向がある方は早めに大腸の精密検査が必要です。

家族性大腸腺腫症

・大腸に無数に腺腫ができる病気です。この病気では大腸癌を発生する可能性が非常に高く,40 歳台までに癌が発生します。

●大腸癌の肉眼的形態

大腸癌の形態は,大腸癌取扱い規約で 0~5 型に分類されています。

 表在型(0 型)(粘膜または粘膜下組織までの癌で,早期癌といわれています)

 腫瘤型(1 型)

  潰瘍限局型(2 型)

  潰瘍浸潤型(3 型)

  びまん浸潤型(4 型)

  分類不能(5 型)

・0 型はさらに以下のように細分類されます。

    隆起型(I)

     有茎型(Ip)

     亜有茎型(Isp)

     無茎型(Is)

    表面型(II)

     表面隆起型(IIa)

     表面平坦型(IIb)

     表面陥凹型(IIc)

3)大腸癌の疫学

日本の死因別死亡率の第 1 位は悪性腫瘍(癌や肉腫)です。

悪性腫瘍の中で死因の第 1 位である胃癌は死亡率(人口 10 万人に対する死亡数)の減少が見られますが,肺癌,大腸癌,肝癌は一貫して増加しています。

大腸癌の死亡率は男性では肺癌,胃癌,肝癌についで第 4 位ですが,女性では第 1 位です。

・大腸癌の死亡率は昭和 25(1950)年には男性 8.6,女性 7.5 でしたが,平成 14(2002)年には男性 23.0,女性 13.4 にまで増加しました。

・大腸癌死亡数で表すと,昭和 25(1950)年では男性 1,819 人,女性 1,909 人でしたが,平成 14(2002)年では男性 20,568 人,女性 17,100 人となり,死亡数は半世紀でおよそ 10 倍になっています。

4)大腸癌の広がり方

大腸癌は大腸の粘膜に発生し,その後広がっていきます。

転移とは最初に癌が発生したところから違う場所に飛び火して,大きく成長することです。

ちなみに最初に癌が発生したところを原発巣と呼び,転移したところを転移巣と呼びます。

大腸癌の広がり方には,浸潤,リンパ行性転移,血行性転移,播種性転移があります。

●浸 潤

大腸癌は腸の一番内側の粘膜にできて,腸の壁を破壊しながらだんだん大きくなり,最後に腸の壁を突き破って周囲の内臓にまで広がっていきます。

●リンパ行性転移

リンパ管は血管のように体中に張り巡らされていて,そこに癌細胞が侵入します。

リンパ管は途中にリンパ節という節目があり,そこからさらに枝分かれしていきます。リンパ管とリンパ節の関係は,ちょうど線路と駅の関係に似ています。

リンパ管に侵入した癌細胞は,途中のリンパ節に流れ着いて増殖します。その後,癌細胞は次のリンパ節に流れていき,最後には遠く離れたリンパ節にも転移します。

癌細胞が流れ着き,増殖したリンパ節を転移リンパ節と呼びます。

リンパ節転移の仕方には,一定の法則があります。すなわち癌がリンパ液の流れる方向にそって転移することです。

●血行性転移

癌細胞が腸の壁の中にある細い静脈に侵入し,お気に入りの臓器に流れついて,そこで大きくなることです。

大腸の血液はまず肝臓に集まることから,大腸癌では肝転移の割合が最も高くなります。

さらに,肺に転移します。もっと進むと,骨や脳に転移します。

●播種性転移

これは播種という文字が表すように,種が播かれるように癌が転移することです。

増大した癌は腸の壁を突き破って,お腹を覆う腹膜に顔を出します。

そこから腹腔内にばらまかれた癌細胞は芽を出すように大きくなります。

最後にお腹の中全体に広がり,癌性腹膜炎の状態をつくります。

●ステージ分類(進行度分類)

癌の進み具合の表しかたを進行度(ステージ)といいます。

ステージは癌が大腸の壁に入り込んだ深さ(深達度),どこのリンパ節まで転移が及んでいるか(リンパ節転移の程度),肝臓や肺など大腸以外の臓器や腹膜にまで転移しているか(遠隔転移),の組み合わせで決められています。

ステージ 0 は最も早期で,ステージIVは癌が最も進行した状態です。

治療前に癌のステージを正しく判定することは,治療方針を立てる上で非常に重要です。

5)大腸癌による症状

早期大腸癌では,ほとんど症状はありません。

進行すると,潰瘍からの出血,腸管内腔を閉塞することによる便秘・下痢や腸閉塞,大きくなってシコリ(腫瘤)として触れる,痛みを起こす,などの症状を示します。

大腸癌の症状は癌の発生部位により異なります。

盲腸癌,上行結腸癌,横行結腸癌の場合

・大きくなるまで症状が出にくいため,腹痛,腫瘤(固いしこり)として見つかります。

・慢性的な出血による貧血症状も見られます。

下行結腸癌,S 状結腸癌,直腸癌の場合

・血便,粘血便,便柱が細くなったり,便秘・下痢が特徴的です。

6)大腸癌の検査法

1 検診法

無症状の場合の検査の方法。

●便潜血反応

便の中に混じった血液を検出する検査法です。陽性であれば,大腸内視鏡検査や注腸造影検査を行い,病気の有無を調べます。

●直腸指診

肛門から直腸内に指を挿入し,直腸内の腫瘍(ポリープや癌)を検索します。これにより直腸癌が見つかることも少なくありません。

2 診断法
●注腸造影検査

下剤により大腸の中を空にして,肛門から X 線に写る液体(バリウムなど)を流し込み,大腸の壁を写す方法です。

癌の位置や大きさを評価したり,周囲の臓器との位置関係を把握します。

●大腸内視鏡検査

下剤により大腸の中を空にして,肛門から内視鏡を大腸内に挿入し,大腸の粘膜面を観察します。

ポリープや癌を直接観察するがことできます。

癌の疑いのある病変から細胞を採取し,診断することができます。

ポリープや早期癌を切除することもできます。

3 治療方針を決めるために必要な検査
●胸部 X 線検査

肺は肝臓のつぎに大腸癌の血行性転移の起こりやすい臓器です。

肺転移の有無を調べます。

●腹部超音波検査

大腸癌と周囲の臓器との位置関係,肝転移やリンパ節転移の有無を調べます。

●CT

大腸癌と周囲の臓器との位置関係,肝転移やリンパ節転移の有無を調べます。

●MRI

大腸癌と周囲の臓器との位置関係,肝転移やリンパ節転移の有無を調べます。

特に直腸癌では,周囲への癌の広がりを詳細に調べることができます。

7)大腸癌の治療法

1 内視鏡治療

大腸内視鏡は,大腸の中をのぞいて病気を発見するための道具です。

この内視鏡を用いて大腸のポリープや癌を切除するのが内視鏡治療です。

内視鏡で癌を切り取る代表的な方法には,ポリペクトミーと内視鏡的粘膜切除術(EMR:endoscopic mucosal resection)があります。ポリープ(癌)の形に応じて,使い分けます。

●ポリペクトミー

ポリープの茎にスネアという金属製の輪をかけて,高周波電流を流し焼き切る方法です。

茎をもったポリープに対して用いる方法です。

●内視鏡的粘膜切除術(EMR)

粘膜の下に生理食塩水などを注射し,腫瘍を持ち上げ,その後ポリペクトミーの手技によって腫瘍を焼き切る方法です。

茎をもたない平坦な腫瘍に対して用います。

●内視鏡治療の合併症

内視鏡治療の際,多くの電流が流れると大腸に穴が開く場合(穿孔)があります。

腫瘍を焼き切った場合,切った部分から出血を起こすことがあります。

・これら合併症頻度は,18,668 例の検討では,出血 0.36%,穿孔 0.2%と報告されています(日本消化器内視鏡学会)。

・出血した場合,出血している部分を焼いたり,クリップで挟んだりして止血します。

・腸に穴が開いた場合,手術で治す場合もあります。

2 手術治療

手術治療では,癌のある腸管とリンパ節とを切除(リンパ節郭清)します。

リンパ節を切除する範囲は,大腸癌の場所と手術前の検査で予測したステージにより決定します。

・広い範囲のリンパ節を切り取ったために手術後に障害が生じることはほとんどありません。

 癌が周囲臓器に浸潤していた場合,その臓器も一緒に切除します。

 腸管を切除した後,残った腸管をつなぎます(吻合)。

 直腸癌が肛門近くにあり,吻合ができない場合,人工肛門になることがあります。

●リンパ節郭清(D1,D2,D3郭清)

リンパ節には,癌の近くのリンパ節から順に遠くへ転移していきます。

  D1郭清

  ・腸管の近くにあるリンパ節を切除します。

  D2郭清

  ・癌のある腸管を栄養する血管に沿うリンパ節も切除します。

  D3郭清

  ・栄養血管の根元にあるリンパ節も切除します。

●結腸癌の手術

癌から 10 cm はなれた部位で腸管を切ります。

腸管を切除した後,腸管をつなぎます(吻合)。

手術名は,切除された腸管により決まります。

 ・結腸右半切除,横行結腸切除,結腸左半切除,S 状結腸切除。

●直腸癌の手術

直腸局所切除術

・早期癌の場合,癌と癌の周囲の組織のみを切除する場合があります。

・肛門を広げて切除する方法(経肛門的切除)と仙骨の横を切って直腸に到達する方法(傍仙骨的切除)とがあります。

・リンパ節郭清は行いません。

 前方切除術

・肛門側は癌から 2~3 cm 離して直腸を切ります。

・直腸を切除後,腸管をつなぎます。

・通常,器械を用いて吻合します。

 直腸切断術

・癌が肛門近くにある場合,人工肛門になることがあります。

・人工肛門の管理は非常に進歩しています。

・看護師による人工肛門の管理・教育や,患者会(オストメイト)など,ケアシステムのさまざまな取り組みが行われています。

膀胱の機能や性機能を司っている神経が直腸の近くにあるため,それらの神経を残す手術が行われます(自律神経温存術)。

・癌を根治させるために,やむなくこれらの神経が切除された場合,尿が出にくくなったり,性機能の障害が起こったりすることがあります。

癌が,膀胱や子宮,膣,前立腺に浸潤していればそれらの臓器を一緒に切除します(合併切除)。

●腹腔鏡手術

炭酸ガスで腹部を膨らませて,内視鏡(腹腔鏡)でお腹の中を観察しながら,数箇所の小さな創(ポート)から器具(鉗子)を入れて手術を行います。

約 15 年前に開発された手術方法で,急速に広まっています。

これは手術のやり方のひとつであり,どのようにして癌を治すか(治療方針)を決める方法ではありません。

現在は一般的には早期の大腸癌に行われています。

通常の開腹手術とは異なる点

・腹腔鏡による限られた視野で長い鉗子を操作して行う手術のため,術者としてトレーニングが必要です。

・創が小さいため,手術後の痛みが少なく,回復が早く,早期に退院できます。

・手術時間がかかります。

・医療費が高くなります。

腹腔鏡手術を希望する場合には,専門医により,その適応や開腹手術と比較した長所・短所の説明を十分に受けた上で,手術の方法を決めることが大切です。

●手術治療の合併症

縫合不全

・腸管がうまくつながらなかった場合,吻合部から便が漏れ出て炎症が起こり,熱が出ます。

・口側に人工肛門を造り,便が縫合不全の部分に流れないようにすれば治ります。後で,人工肛門を閉鎖します。

・結腸癌では約 1.5%に,直腸癌では約 5%に合併します。

腸閉塞

・手術から回復し,腸管が動くとおならとなってガスが出ます。いったん動き始めた腸が,食事を開始してしばらくすると動きが悪くなり,お腹が張ってくることがあります。

・食事を中止し,腸を安静にすることにより治ります。

創感染

・お腹のキズ(創)に菌が付着すると,赤くはれて膿が溜まります。

・縫った糸をはずし,膿を出すと治ります。

・手術の 10~15%に合併します。

3 化学療法(抗がん剤療法)

がんに作用する薬を抗がん剤といい,がん細胞を死滅させたり,がんが大きくなるのを抑える作用をもっています。

大腸癌の治療には,抗がん剤を注射する方法や内服する方法があります。

●化学療法の目的

大腸癌に化学療法を行う目的は二つあります。

一つは手術した後に再発を予防すること(補助化学療法)。

二つ目は手術では癌が取りきれない場合,大きさをおさえること。

・なお,大腸癌の治療は手術による切除が最も効果的ですから,化学療法を手術の代わりとすることはできません。

●化学療法の副作用

抗がん剤はがん細胞だけでなく,正常の細胞にも障害を与えます。

このため,抗がん剤による副作用が出てきます。

副作用は,患者さん自身が身体で感じるものと採血や診察でわかるものとがあります。

副作用の種類や程度は,抗がん剤の種類や個人により異なります。

副作用を予防する薬も開発されており,特に嘔気・嘔吐に対しては十分な対応ができるようになっています。

抗がん剤治療を受ける場合は,担当医から,どのような副作用(種類や時期,期間など)が出るのか,の説明をよく聞いてください。

治療中の患者さんの状態は治療を継続していく上で大変重要です。担当医に気になる点を遠慮せずに話してください。

●化学療法の効果判定

「抗がん剤が効いた」とは,癌の大きさが小さくなったことです。治ったことではありません。

効いたか効かないかは,X 線検査や CT,MRI などの検査で大きさを測って判断します。

4 放射線療法

放射線とは,目に見えない小さな粒子が非常に大きなエネルギーを持って飛び出す状態,あるいは X 線などの電磁波が光の速さで広がる状態のことをいいます。

放射線には細胞の中にある DNA(遺伝子の材料)を傷つける作用があります。

放射線療法は,癌細胞の DNA を傷つけて,癌細胞が死ぬように仕向けます。

放射線療法は,手術治療と同様に,局所療法です。

●放射線療法の目的

大腸癌に対して放射線療法を行う目的は二つあります。

一つは手術にて切り取れる直腸癌に対して,再発を抑えたり,人工肛門を避けること(補助放射線療法)。

二つ目は再発した大腸癌による症状を和らげること。

●放射線の副作用

放射線療法の副作用には,放射線を照射している期間に生じる早期合併症と照射後数ヵ月~数年経った後に生じる晩期合併症があります。

早期合併症

・倦怠感,食欲不振や骨髄抑制(白血球や血小板の減少)。

・放射線皮膚炎の頻度は高く,火傷のようになることもあります。

・頭部への照射では,頭痛,嘔気,脱毛。

・腹部・骨盤への照射では,嘔気・嘔吐,腹痛,下痢。

晩期合併症

・放射線の蓄積作用により閉塞性血管炎が進み,照射後数カ月から数年後に障害が起こります。

・腹部や骨盤腔への照射では,直腸炎,出血,頻便,便失禁,膀胱炎,隣接する臓器(膣,膀胱など)と交通(瘻孔)など。

5 緩和医療
●緩和医療とは

治ること(手術治療)や癌を小さくする治療(化学療法)の効果がなくなった癌をもつ人とその家族に対して行われる医療です。

緩和ケアともいわれます。

世界保健機構(WHO)は緩和医療を「根治を目的とした治療に抵抗性となった病態を呈する患者に対して行われる,積極的で全人的な医療,ケアであり,その最終目標は,患者とその家族にとってできる限り長期間・良好な quality of life(QOL)を維持することである」と定義しています。

また,「癌の進行に伴う身体的苦痛,社会的苦痛,精神的苦痛への対処が最も重要であり,このような目標を達成するためには終末期だけでなく,それ以前の早い時期の患者に対しても癌病変の治療と同時に行うこと,患者と死別した後も家族の苦悩に対する配慮が大切である」としています。

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