川合 一茂(がん・感染症センター都立駒込病院 大腸外科)
大腸癌はStage I-IIIであれば86%の5年生存が得られる比較的予後の良い癌ですが、遠隔転移を伴うStage IVの5年生存率は27%と未だ十分とは言えません。そのため大腸癌の遠隔転移の中でも最も頻度の高い肝転移をいかに診断し治療するかは非常に重要な課題です。
そこで2011年より肝胆膵外科学会と合同のプロジェクトとして全国の大腸癌肝転移治療症例の情報の集積を進めて参りました。これまで2005年から2007年,および2013年から2017年までのおよそ12,000例の治療や予後に関する情報を収集し、これを元に様々な研究を行い、発表してきました。
大腸癌研究会では2025年7月より新たに肝転移データベース委員会を立ち上げました。肝胆膵外科学会から推薦を受けた委員と共に肝転移データベース合同委員会(Joint Committee of Liver Metastases Survey from Colorectal Cancer)として新たな症例集積のためのEDCシステムの立ち上げ、症例集積を開始いたします。広く参加施設を募り、大腸癌肝転移のNationwide registryとして大腸癌肝転移の治療における有用な知見を発信する場となることを期待します。
委員長 | 川合 一茂 | ||||
---|---|---|---|---|---|
委員 | 石黒 めぐみ | 上原 圭 | 小林 宏寿 | 砂川 優 | 谷 公孝 |
夏目 壮一郎 |
(五十音順)