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患者さんのための大腸癌治療ガイドライン 2022年版

2022年版の刊行にあたって

患者さんのための大腸癌治療ガイドライン2022年版  大腸癌は1975年以来増え続けており,2012年以降悪性腫瘍の中で最も多い癌になりました(国立がんセンターがん情報サービス。2011年は2位でした。)。その後も1位を保っていて,2018年の統計では,患者総数で1位(男性は3位,女性は1位)であり,大腸癌にかかった人は152,254人(男性86,414人,女性65,840人)でした。2019年の統計では,大腸癌で亡くなる方は肺癌に次いで多く(男性3位,女性1位)51,420人(男性27,416人,女性24,004人)でした。これは,男性では30人に一人が,女性では37人に一人が大腸癌で亡くなることを意味しています。また,高齢化や年齢構成の影響を除いた年齢調整罹患率をみると男性では横ばいですが,女性は増加しています。これは大腸癌では年齢とともに罹患率が高くなることから女性の大腸癌の患者さんが増えているのは高齢の方が増えていることによるものです。

 一方,幸いなことに大腸癌は比較的治りやすい癌であり,2009年から2011年の相対5年生存率(性別,生まれた年,年齢分布を同じにした日本人集団との比較)は男女とも72%です。大腸癌の場合は手術を行ってから5年経過して再発することはほとんどないことから,5年生存率は治る割合と考えてよい数値です。また,年次推移を見ても年齢調整死亡率は男女とも減少しています。
 日本の大腸癌を専門に扱っている病院の大腸癌の治療成績は世界に冠たるものです。しかし,このように大腸癌が増えてくると日常診療の中で大腸癌を扱う病院が増えてきています。そのため,大腸癌の患者さんがどの病院で治療を受けても不利益を受けないために,それまで専門病院で蓄積されてきた大腸癌の診断や治療のノウハウを広く公開することを目的として,大腸癌研究会では2005年に「大腸癌治療ガイドライン医師用」を刊行しました。その後,2009年,2010年,2014年,2016年,2019年に改訂しています。
 一方,大腸癌にかかった患者さんが安心して治療を受けるためには,大腸癌とはいったいどのような病気なのか,担当医から説明を受けた大腸癌の治療はいったいどのようなものかを正しく知っておくことが大切です。最近,インターネットを使ってがん情報を簡単に得ることができるようになりました。しかしながら,インターネットの情報は必ずしも正しいとは限らず,また,標準治療から外れた効果が怪しげな治療法を薦めるサイトもあります。大腸癌研究会では患者さんのみならずそのご家族の方や一般の方に,大腸癌に関する正しい知識や標準治療,適切な治療の情報を届けるために「患者さんのための大腸癌治療ガイドライン」を2006年に刊行し,2009年,2014年に改訂を行ってきました。この度,大腸癌治療の進歩に伴い新たに改訂を行いました。一般の方々にも十分に理解できるような表現になるように試みましたが,わかりにくい点や疑問に思う点があれば担当の先生にお聞きになり,大腸癌にしっかり向き合って,困難を乗り超えていただきたいと思います。

 2021年12月

大腸癌研究会会長
杉原 健一

 
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